ホイールベアリング交換

Rev-3のリアホイールハブに入っているディスタンスカラー(以下「カラー」という)には段差(ツメ)が付いているので私の持っているベアリングプーラーではベアリングを抜くことができません。
といって、カラーをずらしてベアリングを叩くことも出来ません。
そこで建築金物のアンカーボルトを使って抜くことにします。
これがそのアンカーボルト(*1)。
ナットを締め込むと、クサビがスカート部を広げて固定することができます。
一般的にはコンクリート建物などに穴を開けてこの金物を入れて、看板やエアコンの室外機などを取り付けるために用いるものです。
このようにしてベアリングにアンカーボルトを固定します。
叩いたときに何度がすっぽ抜けたので、脱脂し、がっちり止めました。
プライヤーで掴むところは回ってしまって、やりにくいので工夫が必要です。
(画像は02Rev-3)
ホイールを裏返して、ボルトなどの棒を使ってハンマーで叩くと、アンカーボルトといっしょにベアリングが抜けます。
叩く棒には、カラーの内面が傷つかないようにガムテープが巻いてあります。
(画像は02Rev-3)
固着しているとけっこう強く叩かないと抜けません。
反対側も同じようにして外します。
ひどい状態でした。
ディスク板は作業の邪魔になるので外します。
これがカラーのツメ。
ベアリングの内側にカラーのツメが入ります。
こんな状態でハブ内に収まっています。
ハブの内部。
内部を掃除したら、次はベアリングの圧入です。
通常は専用工具を使うか、慎重に叩いて入れますが、今回はボルトとナットと座金で圧入(以下「簡易圧入器」という)します。
ここで注意することはディスク板がある方から先にベアリングを入れること。ディスク側は底のところまでベアリングを入れた状態でディスク板のセンターが出るようになっています。
画像では、すでに新しいベアリングは圧入されています。
ナット・ワッシャー・座金・古いベリング・新しいベアリングの順になっています。
古いベアリングを入れる理由は、ツラよりも少しベアリングがハブの中に入るからです。
古いベアリングを間に入れてハンマーで叩いても良いでしょう。
スプロケット側のベアリングを入れるときはカラーを入れ忘れないようにしてください。
簡易圧入器で圧入しますが、入れすぎてツメをつぶさないように注意深く圧入します。ベアリングが4分の3くらい入ったら、簡易圧入器は外し、カラーのはめ合い具合を見ながら慎重にベアリングの外周をプラスチックハンマーで軽く叩きます。ツメがベアリングの内側に入ったら、上から古いベアリングをあてて、ハンマーで慎重に叩きベアリングを奥まで入れます。
指を入れてカラーの具合を確認します。
カラーがガタガタ動くようだったら、まだ入れ足りません。
注意することは叩き過ぎるとベアリングとカラーの回りが渋くなるので、絶対に叩き過ぎないようにしてください。
ベアリングとカラーがスムーズに回り、ガタも無ければ、完成です。
以下はフロントホイール
フロントホイールのカラーにはリアのようにツメが無いので、通常のベアリング交換と同じです。
私はベアリングプーラーと簡易圧入器で交換しました。
注意することはリアと同じく、ディスク板からベアリングを入れることです。
フロントハブの内部。
フロントのカラー。
交換したベアリング。
最後に
この作業は失敗すると最悪の場合、ハブの交換になります。自信の無い人は、経験のある人に指導してもらうか、ショップに任せてください。

ベアリングについて
メーカー NTN
品番 6004LLU
種別 両側接触ゴムシール形
材質 高炭素クロム軸受鋼
外径 42mm
12mm
内径 20mm

 *ご希望であれば、手渡しに限り300円/個でお譲りできます。
参考Web
http://www.fan.gr.jp/~offroad/

*1、今回使ったアンカーボルトはすでに生産されて無いようで、近所の日曜大工店数店では売ってなかった。昔から建築金物を取り扱っている金物店の奥の奥、不良在庫が山積になったところから探し(掘り)出した。錆びた状態だったけど、使うには問題無い。

Rev-3