●はじまり |
'99BETA Technoを買ったのは2000年の1月だった。それはアフリカツイン乗りのS木氏が'98BETA
Technoを買ったことに始まる。 遊びに行って試乗してしまったのが運の尽き? トライアルバイクは前から興味があったのでその日からほしくて仕方ありません。その'98BETA TechnoをS木氏から譲ってもらうか、新車の'99BETA Technoを買うか悩んだ末、「長く乗るなら新車」の定説どおり新車を購入することに。すでに'00BETA REV3が販売されていることから、Technoが安く買えたことはありがたかった。 遊んでいるうちに、「夏はイーハトーブ」という気持ちはあるものの3人一組ということであれば当時の自分には無理。そんな思いのままトライアルスクールやアタックツーリングにでかける日々。。。 そんな6/26、O田氏からイーハトーブへの誘いが来た。5人集まったが2チーム作るには残る1人が足りないという。ありがたく参加させていただくことにした。 こうして私たちのイーハトーブヒームカクラスがはじまった。 |
●準備 |
出場するには乗りっぱなしになっているBETA
Technoをメンテナンスしなければならない。メンテナンス不足によるトラブルからリタイヤだけは絶対に避けたい。 メンテナンスは以下のとおり。 ・前後タイヤ交換、ついでにFリムバンドも交換 ・チェーン交換 ・エアーフィルターを交換し、付いていた物を予備と用意 ・リアのホイルベアリング交換 ・ヘッドライトを除く電球類の交換 ・ウインカー、尾灯、ブレーキランプ、ホーン、ヘッドライトが点灯するように直した ・ギアオイル交換 ・プラグを1番コールドに交換 ・チェーンテンショナー交換 ・キャブレターのオーバーホール ・チェーンガード装着 今回からチェーンガードが義務付けられので、ミネモーターサイクルから購入した。 カラーを付属して6,000円。仕上げはラフだが、耐久性には問題ないようだ。写真のリアスプロケットの下の見える白いフィンがそうだ。 BETAを購入してから1年半経っているので特に電気系統には注意した。 車検はライト、尾灯、ウインカー、ホーンの作動とゼッケンナンバー、チェーンガードの有無などを確認する。厳密に行われ、スタート前とゴール地点でもこの車検はある。 2日目のスタート前はヘッドライトの点灯のみの確認はするが、点灯しないとスタートできない。 1人でも車検に通らないとその組はスタートすることができなくなる。 怪我とか、思いもよらないトラブルでリタイヤするなら仕方ないが、球切れなどのイージートラブルや書類(参加受理書、運転免許証、自賠責保険)の不備は絶対に避けなければならない。 今回自分が予備として持って行ったものは以下の通り。パンク修理の工具やアクスルシャフトを回すレンチ、救急用品はメンバーと分散して持つと良い。雨具は上だけ持った。 ・フロントチューブ(タイヤ、チューブが裂けることもあるし、チューブレスのリムが変形するとエアーが漏れることがある。また不幸にしてビートが落ちてしまった場合、ハンドポンプでエアーが入らない場合もチューブを入れる。) ・予備の電球(すべてのものを用意) ・ブレーキ、クラッチレバー ・2stオイル100cc ・ガソリン用2リットルタンク ・予備のプラグ ・針金、タイラップ、ガムテープ、ビニールテープ クラシックとヒームカはスタート地点から宿まで荷物(着替えなど)を1,000円/5kgで運んでくれる(仮にカーゴサービスという)ので、その荷物の中には2stオイル100ccとブレーキフルードも入れておいた。 裏技としては大きめのバックを用意して、メンバーの荷物をまとめると安上がりだ。 |
●本番 |
8月24日13:30集合場所の田代平高原の七時雨山荘へは東北自動車道の浦和から564.6kmの安代ICを下りて20km弱。7〜8時間もあれば着くだろう。 会社を早退し、メンバーのN田氏を迎えに行く。交代で運転できるメンバーがいることは心強い。 15:00 東名高速道路横浜青葉ICから首都高速へ。ところが箱崎付近で渋滞しているので外環状に進路を変えて東北自動車道へ、これからはひたすら走るだけだ。 21時ごろメンバーから携帯に連絡が入り、すでに他のメンバーは七時雨山荘の駐車場(キャンプ地)でご機嫌のようだ。 しかし現在はまだ仙台付近を走行していたので現地着は午前様になるかも。。。 00:20 無事に七時雨山荘に着いたことをメンバーに連絡して迎えに来てもらおうと思ったが携帯(ドコモ)は圏外だ。念のため持っていった430MHzの無線機が役に立った(メンバーは免許持ち)。 すでにみなさん寝ていたようで、私たちのために起こしてしまったようでごめんなさい。来年は金曜日の朝から東京を出発するようにします。 (買出しのヒント) 安代ICから七時雨山荘までにはこの時間では営業している店はない。もし買い忘れたものがあれば安代ICを下りたら右に行くとコンビニがある。できれば、深夜や早朝に現地に着く予定の人は高速道路に乗る前に買出しを済ませておいた方が良い。 8月25日04:30起床。明け方降った雨も上がり、薄い霞のようなものがあたりを包む、好天の兆しだ。 05:15 車検と受付のために用意をして、車検場に急ぐ。無事通過して、慌しく出発のための荷造りをする。 ある程度、自宅を出発する前に荷造りはしたつもりだったが、実際にあれやこれやで忙しい。 07:30 ヒームカクラスの記念撮影後、スタート。 ヒームカの番号は700番から始まり総勢56名。3人1組、1分間隔でスタートして行く。 メンバーは2組の6名、スタート後いっしょに七時雨山荘を後にした。 しばらくは舗装路を走る。ツートラと言えばシングルトラックをヘトヘトになりながら移動して行くものだと思っていたのでちょっと肩の力が抜けた。文字通りツーリング&トライアルだった。 岩手の景色を楽しみながら進むこと約20km、初めてのセンションが現れた。特に緊張することもなくクリアーして行く。採点は足を付くごとに1点加算され、4点以上は何度付いても4点というもの。 ノンストップルールでバイクが止まったとみなされたらその時点で5点、棄権やそのセクションの見落としは10点になる。 第二セクションは1点、次も・・・・ということでこの日は5点で終了できた。感動! しかし、それもそのはずオールクリーンが6人もいたのである。簡単過ぎたのか明日は難しくするそうだ。 コースは一戸町、葛巻町、安家町、岩泉町、田野畑村を走り太平洋沿岸の羅賀まで。距離にして約130km。 セクション数は12。給油ポイントは3ヶ所ありその都度給油していればBETA Technoなら予備タンクの燃料を使うことはない。ただ、道に迷ったり転倒してこぼしてしまうこともあるので、予備のタンクは持って行った方が良いだろう。 ダート率は舗装路が70%、林道が20%、シングルトラックが10%くらいの割合だった。 沿道から子供たちの応援や地元からのドリンクサービスがある。応援には手を振って答え、ドリングサービスはご馳走になって、お礼にステッカーなどをあげると喜ばれる。子供たちもそのステッカーを楽しみにしている。 センション7あたりで雨が降り出す。イーハトーブには雨はつきものだそうだが、どれくらい降るのか不安。セクションも滑るようになるし、なんといってもメガネをかけているので鬱陶しい。 結局この雨は降ったり止んだりでランチコントロール後では雨具が要らないくらいの小雨になった。 この日のランチはカレー、鳥肉の焼き物、トマトだった。朝、受付のときに800円で食券を買っておくのだが、無くした人は悲惨だった。まわりには何もない山の中、お金を持っていても買うところがない。給油、修理などでザックを引っ掻き回しているうちに食券を無くしてしまったのか、泣いていた。。。 16:00ごろ ゴールの市場で車検を済ませ。。。って尾灯が点灯しない。ゴールしてから車検があるとは思って無かったので予備の電球はカーゴサービスの荷物の中だ。仕方がないのでメンバーに電球を借りて車検を通した。バイクをその市場の建物の中にプールして、仲間とビールを片手に焼いたイカ、ホタテ、マンボー(私は食べられなかった)で一日あったことで話が盛り上がる。一日無事に終わったことと、まだ一日走れること、ビールが美味いことでとても楽しかった。 そこから宿の羅賀荘(ヒームカのみ)へは送迎バスで移動する。 鉄筋コンクリート造のこの宿は9階建てで一般の客と同じ扱いだった。 風呂に入って、着替えて宴会場に移動する。円卓を囲んでビール飲んで、食事して、地元の子供たちの踊りを見て楽しんだ。反省会を開き部屋でまたビールを飲んでいたが、目は開いているものの既に気絶状態。残念だが寝ることにした。 8月26日07:10宿から送迎バスで昨日のゴール地点へ。 バイクを出してチェーンにスプレーしたり、増し締めしたりで準備に慌しい。 08:00 2日目のスタート。 ルートはほぼ来た道を戻るようになっている。センションは昨日とはまったく違っていて、格段に難しくなっている。滑りやすいステアーケース、苦手な川渡り、極小回り、木の根があったりで、にわかトライアルライダーの私にとっては難しいセクションだった。エンジンストップ、バタバタと足をついたりしていたので26点。トータルで31点、56人中26位という結果だった。 帰路も給油ポイント3ヶ所、ランチコントロール1ヶ所、セクションは13ヶ所。 ランチは葛巻町の袖山高原の風力発電近くにあるレストハウスだった。ここから望める北上山系は壮大なものだった。東北って素晴らしい。 最後のセンションは七時雨山荘で、観客が多く緊張しないわけがない。。。 結果はなんとかクリアーできて「最後良ければ全て良し」、気持ち良くゴールできた。 クラシッククラスのセクションを見学して、記念品をもらって、片付けて、思いふけている暇も無く帰りの遠い私たちは閉会を見ずにイーハトーブの会場を後にした。 18:00 七時雨山荘を出発し、N田氏を送って自宅に着いたのは翌日の05:00。 既に空は明るくなっていた。 こうして私のイーハトーブヒームカクラスは終わった。 |
●最後に |
いつかはイーハトーブと思っていましたが、これほど早く叶うとは思いませんでした。 今回はメンバーにも恵まれ、とても楽しいツーリングトライアルができました。 特にお世話になったF枝さん夫婦には頭の下がる思いです。そして、声をかけていただいたO田さんありがとうございました。 メンバーのN田さん・Y口さんいろいろとお世話になりました。また、来年もいっしょに付き合ってください!ヒームカクラス。 イーハトーブ公式サイト http://www.sukaheru.net/~ihatove/ |