雪中キャンプ

99年3月で山梨県の某林道に「雪中キャンプ」に行ってきました。
おりしも全国的に死者もでる低気圧通過いう目に遭いましたが、なんとか
無事に生還することができました。

仲間は総勢8名内1名は日帰り。談合坂SAと勝沼ICで待ち合わせです。
勝沼ICから塩山の市街を抜け国道140号を北上します。
ももの花の開花を期待したのですが、少々早かったのか鮮やかなピンクの
花は見ることができませんでした。

行きはよいよい

グングンと高度を上げていくと道路の脇に少しずつ白いものが目に付くようになる。
それが林道に入るころには林道一面に薄っすらと雪。さらに林道を進み
ダートになるころには雪はリムが隠れる程度になっていました。しかし、「かまくらが作れる
くらい雪がないと。。。」とテントを持たないO氏が言っているので、奥へ奥へ進みます。
あと2〜3kmで終点というところの窪みに適当な場所を見つけ、夜宴の開始です。

タープの代わりにブルーシートを張りますが、ドカドカと降ってくる雪に押しつぶれそうです。
頻繁に雪を落さないとシートがもちません。雪のことは心配ですが食料もあるし、
いまさらどうすることもできないので、それすら楽しんでしまおう!ということで夜宴は
異常な盛り上がり方です。

雪が・・・。

ここまで来た疲れと酔いで私は22時にはテントに。酔いに任せて寝てしまいます。
しかし、2〜3時間おきに起きてテントの雪を落さないとつぶれてしまいそうです。
(室内から天井を叩いて落とすだけですが)
このときはかまくら組(2名) がうらやましかった。

かまくらとは仙人のようなO氏

夜半から雪が止み、「テントの雪下ろしから開放される」と安心していたら、
轟音と共に今度は強風が・・・・。
窪みにテントを張っていたので、吹き飛ばされることはありませんでしたが、
テントが、バイクが、木が、すべての物がすごい音をたてます。帰りのことが心配で
「もしかすると、ここにもう一泊?」「遭難?、救助?・・・・。」などなど。。。。。

私のテント

あたりが明るくなってきたので、恐る恐るテントから上半身だけを出てみると透き
通るような真っ青な空とうっすらと朝焼けが。しかし、地鳴りのする強風は
相変わらずです。真っ白い雪が山の斜面を駆け上がり、山頂で舞っては
吹き飛ばされています。
大自然のすばらしさと恐怖が入り混じった不思議な体験でした。
無事に帰って来れたので言えるんですけど。

うまく写ってませんけど

朝食を済ませ11時近くになり帰りの支度をしますが、−5℃と瞬間では
20mはあろう強風ですべてのものが凍り付き、また触れる金属に
指がくっ付きなかなか仕事がはかどりません。テントのフレームが凍り付き
分解することができなかったり、ブレーキレバーやパッドが凍り付いたり、
今度は動いてもディスクが凍ってブレーキが効かなかったり、メイン
スイッチが回らなかったり、クラッチが切れないなどなど・・・・。
お湯を沸かしてたいへんでした(-_-;)

◇教訓◇
1、エンジンキーは差しておく。穴に水分が入って凍るとかなり厄介です。バッテリーレスならNoのまま。
2、ギアーはニュートラルにしておく。クラッチレバーが動かなくなるので、エンジンの始動ができなくなります。
3、朝はお湯を沸かしておく。これくらいの余裕はほしいですね。

なんとか準備を終えて出発です。チェーン(自動車用)装備の私が先頭です。
積雪はホイールの半分近く、湿った雪なら限界の積雪です。
今回は粉雪だし、下りなのでけっこう進みます。「シュプールが綺麗」なんて
余裕もでてきました。
上りは足を使って2輪2足走行。休み休み行かないと汗だくになり、
体力を消耗してしまいます。途中、綺麗な富士山が見えたり、シカ、うさぎ
などの動物の足跡があったり、個人的にはけっこう楽しめました。

正面の富士山が綺麗です

途中で体力の限界からバイクを放棄(翌週には取に行きました)し、たまたま通り
かかった4WDに助けてもらった人が一名いましたが、なんとか全員無事に下山。

帰ってから死者まで出したこの低気圧を知り愕然。
二度と見たくも無い冬の林道でもあり、また行きたい冬の林道でもありました。


ツーリングに戻る