GSの渓流浴名誉の証

渓流浴長屋王です。
2週連続でやってしまいました。今回は先週とは比較にならないほどスゴいことをやってしまいました。聞くも笑い、語るも笑い....

昨日/一昨日にビッグオフクラブの方々と福島方面にキャンプツーリングに行きました。ここしばらくの続き雨で林道はフレッシュになっており、泥地獄や川渡りを体験しました。と、ここまでは何とか突破できたんですが、轍の深い沢沿いの道を走っているときにやってしまいました。

ワタシがへたくそでゆっくり走っていたのが災いしたのですが、轍にフロントを採られてジャックナイフ状態になり、ワタシは地面にたたきつけられました。はっと身を起こした私の目に入ったのは沢に落下中のGSの後輪でした。前途多難

起きあがって下を覗くと落差は約2m。1〜2mの岩がごろごろしている渓流の淵に、ハンドルとメーターパネルだけ水面に出してGSが渓流浴しており、その回りにパニアがぷかぷか浮かんでました。

ワタシはビリから2番目を走っていたので、最後尾の方も川に入って下さって2人でがんばったんですが、装備重量243kgですから手に負えません。その方には結局先行部隊を呼びに行っていただきました。先行部隊の戻ってくるまでの間約10分。ワタシは腰まで水に浸かってGSを呆然と眺めてました。
アクセルがゆるむ
皆が到着しました。
TBI経験者のM氏は、渓流の岸辺にメットやら荷物が置いてあるのをのを見てほぼ瞬間的にナニが起こったか判ったそうな。(「良くあるハナシ」だそうです)
ビッグオフクラブのT隊長は岸上からワタシに怪我がないか確認すると、とりあえずカメラを取り出したのでした。
ワタシもGSの横で腰まで水に浸かってピースサインを出してほほえみました。

レスQ皆腰まで水に浸かって下さり、1時間くらいかけて林道まで引き上げました。落ちたところは急坂だったので、5m程下の坂が比較的緩やかなトコロまで渓流の中を皆で押して移動させ、引き上げました。まさかあんなところでホンマに引き上げられるとは思いませんでした。

とりあえず浸水以外の損傷を調べると、前輪は岩に当たってバースト、フロントカウル変形/ウィンドスクリーン泣き別れ、パニアマウントラック全壊、シートレール変形、ハンドルまわり変形、タンクへこみ程度です。先週壊したままにしておいたヘッポコのエンジンガードはまたも働いてくれ、天寿を全うしました。コレがなかったらヘッドカバー破損どころではなく、メカ全体がやられていたと思われます。
落ちた高さと落ちた場所を考えれば奇跡的な低被害です。というよりBMWが頑丈なだけかも入れません。
やっと上がった
各部の浸水のためにキーを抜いてもライトがついていたりするのですが、とにかくエンジンからできるだけ早く水を出さないと致命傷になるので、まず様子見のためにプラグを外したところプラグホールから水が出てきました。インテークマニホールド部のバンドを緩めても水が噴き出してくるので、一番合理的な排水方法を採りました。皆でタイヤが上になるようにひっくり返したわけです。10分くらい放置すると各部から水が出なくなったので引き起こしました。マフラーはキャタライザー部がとっぷり水を吸ってしまったようで、水は出ませんでした。
現実です、ヒーッ
ヤッたところはもう林道出口の2km手前で下りだったので、そのまま惰力で降りて、舗装路まで出しました。
そこでエンジンをかけてみたら何とかかりました!!BMWおそるべし。GRPの共晶膜が形成されているので、回転を押さえておけば白濁したオイルでも短時間ならば大丈夫であろうという判断です。エンジン起動と同時にマフラーから洗車機のように水が噴き出しました。暫くすると大量な水蒸気に変わり、5分もすると排気は安定しました。
天地無用
あとはタイヤを何とかすれば自走可能になります。しかしサイドウォールが裂けたタイヤは修理が利きません。ちょうどカジバのエレファントが前輪19インチなので、I氏が19インチののチューブを持っており、コレを入れることにしました。M氏を中心に、前輪を外し、ビードを落とし、チューブレスタイヤにチューブを挿入、再度ビードはめ、タイヤ装着...と作業しました。
ワタシは殆ど見ているだけでまるで手伝えませんでしたが、皆トラブル慣れしておりすごい手際の良さでした。(サイドスタンドでビードを踏んで落とすという手法には感心)M氏曰く「キャリパーの締め付けトルクは3.3kg−m!!」とのことで、「このくらいだよ!」と締めました。(人間トルクレンチ)やはりGSで難所を走るヒトは違います。

これでパニア等の荷物を皆に分担して持っていただき、2〜3km離れた最寄りのガソリンスタンドまで走り、オイル交換をしました。
オイルは水を吸ってカフェオレのようでしたので、2度フラッシングをして、とりあえず4輪用の5W−30のSJオイルを入れました。
これでしばらく走ってからまたオイル交換;という手順でエンジン内部を掃除しようと考えたわけです。
またガソリンも全て入れ替えました。
教室のワックス当番はだれ?
しかし幸運もココまで、とうとう電磁ポンプが息の根を止め、GSはあっけなく動力を失いました。
ハーネスやヒューズ、リレー等の接点を点検しましたがどうしても息を吹き返しません。2100時まで粘ってたのですが、やむなくこのスタ
ンドにGSと大荷物を預け、テント、シュラフ、マットのみを持って、他の人の後ろに乗せて貰ってキャンプ場に向かいました。

ちなみに電脳化されてないOHV系は水没しても逆さにして水を切ればエンジンがかかるそうです。(M氏談)

キャンプ場に着いたのは2230時。その後は宴会をして0330時に寝ました。

次の日は一晩乾かせばエンジンがかかるかも知れない;との希望を持って、またガソリンスタンドに行くことにしました。まっすぐ帰宅する方がいらっしゃったので後ろに乗せていって頂きました。
しかし結局電磁ポンプは作動しなかったので須賀川まで送っていただき、公共の交通機関で帰ってきました。決して笑ってません(;_;)
エンデューロブーツ、モトクロスパンツ、エンデューロジャケットといういでたちで新幹線に乗ってきました。
このタイヤは硬いや
機体は明日休みを取って回収に行ってきます。
ビッグオフクラブのメンバーの方に1.5tトラックを持っている方
(バイク屋さん)がいらっしゃるのでご厚意に甘えることにしました。

しかし直すのにいくらかかることやら...まぁカラダが大丈夫だったのがせめてもの救いです。

しかしビッグオフクラブの皆さんには感謝のコトバもありません。皆腰まで水に浸かって243kgのGSを引き上げ、修理していただき、荷物を運んでいただき、また駅まで送っていただき....等々。今回ほど人の情けをありがたいと感じたことはありません。

T隊長に撮ってもらった写真が出来るのが楽しみです。天下のBMWの1100GSが腰の深さの渓流に水没している図、6人がかりで岩場を押している図、逆さにして水を切っている図....BMWジャパンの人間が見たら絶句することでしょう。

こうして落した本人は恋人を置いて行くのだった


indexhappening